住環境整備から見たコロナウィルス対策_湿度について

温度と湿度

コロナウィルス対策について、湿度がインフルエンザウィルスの生存時間に影響を及ぼすということは、前回も書いた通りです。また、マスコミを通じても同じようなことが言われています。

インフルエンザウィルスの生存時間については、実験室内で科学的に調べたG.J.Harperの1961年の「ウィルスの生存実験」が有名です。この実験では温度が低く湿度も低い環境でインフルエンザウイルスの生存率が高くなるということが分かりました。

ただ、これは相対湿度においての実験のようであり、このデータを、住環境整備に役立てようとするとき注意が必要になります。
一般的に湿度と言っているのは、相対湿度というものであり、ある気温の空気中に含むことのできる最大の水蒸気(これを飽和水蒸気量と言います)の比率なので、同じ部屋でも室温によって数値が違ってきます。例えば、室温20℃で相対湿度50%でも、室温が25℃になると38%となります。これでは、湿度が何パーセントが良いといってもあまり意味がありません。

絶対湿度17g/m3でウィルスは死滅

先のHarperの実験から、日本の仙台市 庄司内科小児科医院 庄司誠Dr.の論文「季節とインフルエンザの流行」では、インフルエンザウィルスの生存時間について、6時間後は絶対湿度7g/m3以下で20%、11g/m3以下で5%、17g/m3以上ではほとんど生存が確認されなかったとし、日本全国のインフルエンザ流行予想地図を公開し、沖縄を除く日本では11g/m3以下になると流行が始まり17g/m3以下で流行が終わるとしています。

つまり、室内の絶対湿度を17g/m3以上、少なくとも11g/m3以上に保つことで室内のインフルエンザウィルスの多くが死滅するということです。

写真にある大きな温度湿度計は、室温と相対湿度の値から算出した絶対湿度を感染防止目安として3つのゾーンで表示していますので、比較的正確に感染防止の目安を示してくれます。

かなや設計 環境建築家/福祉環境コーディネイター(1級)金谷直政

住環境整備から見たコロナウィルス対策

世界をあげてコロナウィルスとの戦いが進行中です。

濃厚接触を避け生活をするのはもちろんですが、住環境整備の視点からできることはないか?考えてみました。

新型コロナウィルスとは、ウィルスにより感染症を起こすものと考えられています。ウィルスは、それ自身では生存ができず、他の生物の生体内(宿主)に侵入し増殖を行います。

ここでのポイントは、ウィルスが元の宿主から次の宿主に移る課程にあります。つまり、ウィルスは自身では生存できないことから、次の宿主に移動する間に死滅してしまえば感染しないということです。

では、どのようにすれば、宿主から宿主への移動を抑えることができるのでしょうか?

一般的に、感染には、①空気感染、②飛沫感染、③接触感染 などがありますが、これらの中で③の接触感染については、直接触れ合うことを避けたり、誰かが触ったものに触れるときに消毒をするなどの運用での対応となると思いますので、住環境整備では如何ともできないですが、①の空気感染と、②の飛沫感染について、注意できることを考えてみます。

コロナウィルスの生存時間は、アメリカのCDC(疾病対策センター)などの発表では、3時間(空気中)から3日(プラスチック・ステンレスの表面)となっています。
https://www.afpbb.com/articles/-/3274379

湿度を高く保つことでウィルスが死滅

更に、もう少し踏み込んで調べてみると、 インフルエンザウィルスの場合ですが、 湿度が、高くなるほど、ウィルスの生存時間は短くなります。

出店「豊かな住まいづくり・39集」(日本建設新聞社刊)

先の、CDC等の報告では、湿度のことは言及していませんが 、このグラフからは室内の湿度を高く保つことによりイフルエンザウィルスが早く死滅することがわかります。

換気のやりすぎには注意が必要

ここで注意しなければならないのは、テレビをはじめ様々なメディアでは、部屋の換気を十分しましょうと言っていますが、部屋の温まった空気を一気に外気と入れ替えると、湿度が下がって、ウイルスの生存時間が伸びるということになってしまいます。

理想は、換気を十分に確保し、湿度も高めに保つということです。室温と湿度、換気の関係について、もし、お近くに、建築士や福祉住環境コーディネイターが居たら、聞いてみてください。

かなや設計 環境建築家/福祉住環境コーディネイター(1級)金谷直政

アパートの耐震性は大丈夫?

まず、たてものの耐震性について、覚えておいてほしいことがあります。

それは「その建物がいつできたか?正確に言うと確認申請をいつ出したか?」

ということです。

建物の強度は、幾度となく起こった地震の経験から、少しづつ基準が強化されてきました。特に、1981年(昭和56年)の6月に改正された基準が現行の耐震基準に近い強度となります。

この年より前に建てられた建物は、現行の耐震基準を有しておらず、大きな地震、ごくまれ(数百年に一度発生する地震)に発生する地震に遭遇した場合倒壊する可能性が高いのです。反対に1981年以降に建てられた建物はこのような地震がきても倒壊することはまずありません。地震の大きさと建物の安全性[金箱構造設計事務所]

ですから、1981年という数字を是非覚えておくと良いと思います。

建物を借りるとき、不動産やさんが説明する重要事項説明の中で、建物の建築年を説明してもらいますが、どれだけの人が、その年が持つ重要性に気付いているのでしょうか? むしろ、外装や内装の新しさに目を奪われ、築年数の裏に隠されている脆弱な骨組みのことは意識しないのではないでしょうか?

熊本の地震では、1981年以前に建てられたアパートの外装と内装がきれいにリフォームされ、新築と見まごう仕上げとなっていました。そんなアパートが崩れ学生が3人も亡くなったのです。

大家さんの立場で考えてください。目に見えない構造にお金をかけるより、仕上げをきれいにし、WIFIを完備した方が、手っ取り早く、安く、入居者を引き付けることができるのです。投資効果が高いと考える大家さんが多いのが現実です。

これは、ある意味、殺人に近い行為だと思います。きれいな外見で人を惹きつけ、大きな地震で崩れ入居者が死んでしまう。まるで。食虫植物が、甘い蜜を出して獲物を引き寄せているような恐ろしい光景が、頭をよぎります。

「安い」「キレイ」「風情がある」という魅力の裏には危険が潜んでいることを知っておかなければなりません。特に、経験の少ない若い学生には、周りの大人が気づいて、危険なアパートには住まわせないよう気を付けたいものです。

かなや設計 環境建築家 金谷直政

全国賃貸住宅新聞に「京島ゆずテラス」掲載

全国賃貸住宅新聞に京島ゆずテラスを掲載していただきました。

今回は、地中熱と太陽光発電を組み合わせた冷暖房設備について詳しく記事にしていただいています。

私の年齢が66歳になっているのはご愛敬です(^-^;

YUZU terrace_press
全国賃貸住宅新聞2019年11月18日号

型枠工事と鉄筋工事の合番(あいばん)工事

型枠大工と鉄筋工が話しながら型枠を組んでいる

斜めのコンクリートを打つ現場。

型枠と鉄筋の職人が話をしながら進めていきます。このように違う職種が、同時に作業を進めていくことを「合番(あいばん)」と言います。

かなや設計

台風19号で気づいたこと

今年(2019)の10月12日、大型で「非常に強い」台風19号が、首都圏をはじめ広範囲を襲いました。

「今までの台風のなかでも最大限の注意が必要!」と、上陸の前からマスコミでも大きく取り上げられていました。この台風の約1か月前の9月9には、小型だが「強い」台風15号が、千葉を直撃ていて、大規模な停電や、壊れた屋根にブルーシートを張っている様子、ゴルフ練習場の鉄塔が住宅を破壊した映像などから、台風への脅威をいだいて、19号を迎えた。

つまり、十分に危機感を持って19号を迎えた稀なケースでした。

このような、心構えが十分だった、台風への対策だから、さぞ、問題なく対応ができたかというと、そう簡単ではありませんでした。もちろん、一概に台風といっても、風の強さ、雨の量、台風の大きさと速度による広域にわたる降雨量からくる川の氾濫の危険性など、想像はしますが、複合的に組み合わさることで、何に対して、どのように行動してよいのか、わからないものです。

特にこの台風19号は、大型で「非常に強い」台風であったため、川の氾濫、風による被害が心配でした。

私が住む町会でも、災害当日、避難勧告が出て、墨田区の防災無線が入り、近くの小学校が避難所として開設されたという防災無線が入りました。しかし、防災無線の声は、小さくて不明瞭なため、何を言っているか全くわからない状況。

町会の総務部長の判断により、町会の全戸を回り、避難所開設を呼びかけることになりました。急遽、LINEで町会のメンバーに呼びかけ、6人ほどで、全住戸を回りました。

町会費をもらっているかいないかに関わらず全ての住戸に声をかけることで、気づいたことがありましたので、記録のため、書いておこうと思います。

  1. 高齢者は、不安そうに避難したら良いのか否か聞いてきたが、避難したらよいか否かこちらもわからなかった。
  2. 歩くのが困難な高齢者は、あきらめたのか、呼びかけにも応じず、家にこもっていた。
  3. 表札もない家を訪ねると、民泊でした。中にはマレーシアの若者5人が不安そうにしていた。管理者からは連絡はないようだった。
  4. 避難所として開放された小学校とは違う学校(小学校、中学校)へ避難した方もいたが、訪ねた小学校は避難所にはなっていなかった。
  5. マンションの方々にも避難所開設を知らせましたが、反応は薄かった。
  6. 避難所はすぐに満員になり、避難所に滞在していた防災士が、区に対して別の避難所開設の要望をだした。

発泡ウレタン吹付

断熱材として「発泡ウレタン吹付け」を使いました。

断熱材には、大きく分けて

・ロックウール、グラスウールなどの繊維系断熱材と、

・ポリスチレンフォーム断熱材、発泡ウレタンなどの樹脂系断熱材

があります。今回は、発泡ウレタンを使用しました。

発泡ウレタンの特徴は、断熱性能が良いため、壁の厚さを薄くして内部空間を広く確保することができます。

ただ、欠点としては、値段が高い、高温にさらされると発火し、燃えることがあります。一応難燃処理しているので、通常の炎に触れた程度では発火しませんが、溶接の火花等、高温の火元に触れると発火するようです。

「京島ゆずテラス」では、外壁に50mm、屋根スラブに100mmの厚さで吹き付けてあります。通常の建物の倍程度の厚さなので、断熱性能は大変高くなっています。

京島ゆずテラス

”京島ゆずテラス”工事現場全体の動画をUPしました!

先週、最上階までコンクリートの打設が終わったので、1階から屋上のテラスまでの紹介動画をとりました。

自分が出演する動画は初めてで、5テイク目の撮影でようやくUPできました(^-^;

最上階のテラスまでコンクリートが打ちあがりました

鉄筋の結束(最上階)

最上階のコンクリート打設の前に、配筋(はいきん)工事が進んでいます。
コンクリートは打設されると、配筋の様子も確認できないし、間違っていてもやり直しができません。
その配筋を現場監督がチェックし、更に設計事務所が確認させてもらいます。
・かぶり厚さ(型枠と鉄筋の距離が適正か)
・鉄筋の種類(太さがあっているか)
・定着長さ(太さの何倍が確保されているか)
などを確認します。
まるで鉄の編み物のような細かい作業です。
ですから、熟練の職人が細心の注意を払い組んでいきます。