建築と緑化

自然に触れると心が安らぎます。誰しも、山や森等の大自然の中を歩いて空気を胸いっぱいに吸うと、肺の中に新鮮な空気が入り込み、体全体が浄化されるような心地よさを覚える経験があるのではないでしょうか?

また、山や森とまでも行かなくても、緑を眺めるだけでも心地よさを感じるものですが、普段の生活の中では、なかなか自然を身近に感じることはできない方も多いと思います。特に、都市の中では、自然よりも建造物の方が圧倒的に多いので、意識して緑を育てなければ、身近に感じることもできません。

密集市街地の緑化

■密集市街地の二面緑化

都市の生活で、敷地が狭くても、緑を楽しむ方法として、屋上緑化や壁面緑化などが考えられます。いくつかの事例を見ながら、緑化について考えていきたいと思います。

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こちらは、墨田区の密集市街地に建つ住宅の屋上です。密集した住宅や町工場の中のわずか16坪の土地に建つ住宅ですが、屋上に出ると、はるか向こうの地平線まで見える極上の眺望が楽しむことができます。

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そして、この写真は、建物の正面です。向かって左側がモッコウバラ、右側が巨峰です。

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モッコウバラの小さくてかわいい八重咲きの花。いい香りがします。この小さな花が壁面にびっしり咲くんです。モッコウバラは、白のほかに黄色もあるようです。

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こちらは、道路との間の奥行20cmの狭いスペースに植えたチューリップです。春には、狭い通りを彩ってくれます。この通りを通って保育園に通う小さい子が、このチューリップの前に立ち止まって ♪ さいた~ さいた~ チューリップのはなが~ ♪ と歌ってくれたました。しかも、3番まで。

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チューリップが終わると、バラが咲き始めます。手前の真紅のバラは、カップ咲きのイングリッシュローズ、「L.D.ブレスウェイト」。一年を通して大きくて豪華な花を咲かせます。
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向こう側は、フロリバンダローズ。一つの枝にたくさんの花を一斉にさかせます。

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そして、少し遅れて初夏に咲き始めるのが、つる性の四季咲きのバラ、とってもいい香りのする花弁がびっしり詰まった「ナエマ」。ゲランという香水から命名されたという。この前を通ると、控え目で、いい香りがします。

かなや設計 環境建築家 金谷直政

 

■壁面緑化の冷却効果

2012年の2月に完成した高齢者向けのケアハウスの事例をご紹介します。この建物には居室が20室あり、その窓の向きは、すべての部屋からスカイツリーが見えるように南と西に配置しています。

建物の南側に幅3m、高さ8.7mの壁面があります。この場所に壁面緑化を計画しました。事業者さんと打ち合わせをしてみると、

「緑化はしたいけど、手間はかけられない。水をあげなくても育つ緑化はできないでしょうか?」

という、お題をいただきました。

「建物の正面なので建物の顔にもなるし、花も咲くといいですね。」とお話しして、テイカカズラをお薦めしてみました。

写真は、2015年の8月です。

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3年6カ月で、ここまで伸びました。3階の床のあたりまで伸びているので、約6mの高さまで伸びています。立派なモジャモジャな状態になってきています。下に、建物の完成時の写真を載せておきますので、比較すると成長ぶりがよくわかります。

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テイカカズラは、