緑化Green

01.密集市街地の緑化

02.壁面緑化の冷却効果

03.屋上緑化のすすめ

04.手摺を利用した壁面緑化

自然に触れると心が安らぎます。誰しも、山や森等の大自然の中を歩いて空気を胸いっぱいに吸うと、肺の中に新鮮な空気が入り込み、体全体が浄化されるような心地よさを覚える経験があるのではないでしょうか?

また、山や森とまでも行かなくても、緑を眺めるだけでも心地よさを感じるものですが、普段の生活の中では、なかなか自然を身近に感じることはできない方も多いと思います。特に、都市の中では、自然よりも建造物の方が圧倒的に多いので、意識して緑を育てなければ、身近に感じることもできません。

01.密集市街地の緑化

都市の生活で、敷地が狭くても、緑を楽しむ方法として、屋上緑化や壁面緑化などが考えられます。いくつかの事例を見ながら、緑化について考えていきたいと思います。

roof3_kakou_s

こちらは、墨田区の密集市街地に建つ住宅の屋上です。密集した住宅や町工場の中のわずか16坪の土地に建つ住宅ですが、屋上に出ると、はるか向こうの地平線まで見える極上の眺望が楽しむことができます。

2015_greening_kanayasekkei02

そして、この写真は、建物の正面です。向かって左側がモッコウバラ、右側が巨峰です。

2015_greening_kanayasekkei06

モッコウバラの小さくてかわいい八重咲きの花。いい香りがします。この小さな花が壁面にびっしり咲くんです。モッコウバラは、白のほかに黄色もあるようです。

2015_greening_kanayasekkei05

こちらは、道路との間の奥行20cmの狭いスペースに植えたチューリップです。春には、狭い通りを彩ってくれます。この通りを通って保育園に通う小さい子が、このチューリップの前に立ち止まって ♪ さいた~ さいた~ チューリップのはなが~ ♪ と歌ってくれたました。しかも、3番まで。

2015_greening_kanayasekkei07

チューリップが終わると、バラが咲き始めます。手前の真紅のバラは、カップ咲きのイングリッシュローズ、「L.D.ブレスウェイト」。一年を通して大きくて豪華な花を咲かせます。
2015_greening_kanayasekkei08

向こう側は、フロリバンダローズ。一つの枝にたくさんの花を一斉にさかせます。

2015_greening_kanayasekkei09

そして、少し遅れて初夏に咲き始めるのが、つる性の四季咲きのバラ、とってもいい香りのする花弁がびっしり詰まった「ナエマ」。ゲランという香水から命名されたという。この前を通ると、控え目で、いい香りがします。

かなや設計 環境建築家 金谷直政

 

02.壁面緑化の冷却効果

2012年の2月に完成した高齢者向けのケアハウスの事例をご紹介します。この建物には居室が20室あり、その窓の向きは、すべての部屋からスカイツリーが見えるように南と西に配置しています。

建物の南側に幅3m、高さ8.7mの壁面があります。この場所に壁面緑化を計画しました。事業者さんと打ち合わせをしてみると、

「緑化はしたいけど、手間はかけられない。水をあげなくても育つ緑化はできないでしょうか?」とのこと。

「建物の正面なので建物の顔にもなるし、花も咲くといいですね。」とお話しして、テイカカズラをお薦めしてみました。

テイカカズラは定家葛と書き、名前の由来は平安時代末期から鎌倉時代初期の公家であり歌人でもある藤原定家が、自分の好きな女性を慕い、自分の死後も、その女性のそばにいたいことから植物に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説(能「定家」)に基づいています。

下の写真は、2012年の2月に植えた直後の写真です。

gaikan_hosei_s

そして、3年後、2015年の8月の写真です。

さんいくハイツ東墨田 2017.8.1

少しづつですが、3年経つとかなり伸びてきています。見た目にも、生命の息吹が感じられ、潤いが出てきました。

また、8月ということで、この日の東京は最高気温が35.5℃と真夏日を記録する猛暑!サーモカメラで外壁面の温度を測ってみると、直射光が当たっている面は48℃にもなっています。しかし壁面緑化をしている面は37.8℃とその差は10℃。壁面緑化の効果を確認することができました。

03.屋上緑化のすすめ

市街地での緑化の方法として壁面緑化を紹介してきましたが、屋上緑化も有効な緑化の方法です。

調剤薬局(川崎)

 

二つ地面の家(墨田区)

 

04.手摺を活用した壁面緑化

壁面緑化のメリットは、何といっても狭い敷地でも、緑がたっぷり楽しめることではないでしょうか?

次に紹介するのは、壁面緑化するための露地の部分もほとんど無いケースです。屋外階段と道路の間は10cm程度の隙間しかありませんでした。しかも、建物の北側なので日当たりが悪い。まったく日が当たらない部分です。

しかし、配置上の理由で、建物の入り口をこちら側に確保するしかありませんでした。

ここには日陰でも育つヘデラを植えました。少し時間はかかりますが少しずつ伸びて手摺と一体になり、入り口まわりに潤いをもたらせてくれる緑に成長してくれました。

墨田区の町工場の壁面緑化 2011.6.10
墨田区の町工場の壁面緑化 2016.12.25